元祖eスポーツゲーム漫画「ゲームセンターあらし」!
最近、かつてコロコロコミックを読んで育った大人たちのための雑誌「コロコロアニキ」に35年ぶりの新作読み切りが掲載され、2019年11月には作者すがやみつる先生が選んだ傑作回だらけのベストセレクションが発売されました。
僕はこれまで一度もあらしを読んだことがなかったのですが、好きな絵柄で気になったので読んでみたら、僕の大好物な濃い味熱血漫画でめちゃくちゃ面白かったです。
ゲームセンターあらし 炎のベストセレクション1
主な登場人物
石野あらし
テレビゲームが大好きな少年です。ゲームの天才なのですが、実はゲームのために毎日30分親指逆立ちをして耐久力をつけたり(上のイラストは逆立ちしてボタンを連打しています)、連射力を上げるためにピアノを習って指の素早い動きを習得したりと努力家です。手が使えなくなったら出っ歯でボタンを押す根性もあります。
手のひらを火傷させながら発動する「炎のコマ」という必殺技は一見おバカな技なのですが、そういえば僕も小学生の頃ロクヨンの3Dスティックをグルグル回すゲームで高得点を出すために全力で回して手のひらにマメを作ったり、フリマで買ったファミコンのバルセロナオリンピックでA、Bボタンを交互に連打しまくって指にマメ作ったりしてたなあ。
感想:スーファミ以前のゲームなんてあんまり知らないし楽しめるのかなと不安でしたが、この漫画の本質はそこじゃあなかった
TBSラジオ「アフター6ジャンクション(略してアトロク)」では、リスナーから届いたゲームにまつわる思い出はなしを読み上げ、ゲームセンターあらしの主題歌を歌って踊る「ゲームセンターはなし」というコーナーがありまして。
MCの宇多丸さんがゲームセンターあらしドンピシャ世代ということもあり、コーナー外でもあらしが話題になって、先日なんて作者のすがやみつる先生をお招きしたりとブームがラジオの向こうで起こっています。
かくいう僕は80年代にコロコロコミックを読んでいた世代ではないため、あらしのコミックは売っているところを見たことがないし公民館にも置いてなかったので読むキッカケがありませんでした。
今回読むキッカケとなったのは、アトロクであれだけ盛り上がっている話題を理解したいということ、あらしの外見は僕の好きな「包丁人味平」からインスピレーションを得たということで興味が湧き、11月にベストセレクション1が出たので手に取りやすくなったことが大きいです。
ただ今更読んで僕が知らない昔のゲームが出てきてもノスタルジーに浸れないし、何も面白くないような気がして不安ではあったのですが、ベストセレクション1最初のエピソード「必殺!つるぎの舞い」でゲームのスコアを更新し続けるあらしの「腕が折れるまで続けてやるさ」というセリフで「あ、この漫画ゲームの紹介以上にあらしの熱血っぷりが面白いぞ。好きだわ。」となりました。
次の話では揺れる船内でゲーム筐体がグラグラ動き思うようにプレイできないあらしは、筐体と一体になって操作するために、筐体の上で逆立ちしてボタンを押したり。
ゲームを辞めさせようとする学校の先生たちとの耐久バトルでは、疲労で腕が使えなくなったあらしは出っ歯でボタンを押したり、ハチャメチャで最高です。
そんなあらしの周りには、テレビゲームをプログラミングしてあらしに挑むさとる、ゲームセンターへ行くために小さい子供から小銭をカツアゲする一平太などがいて、最初は敵として登場するも次第に仲を深めていく様がベストセレクション1に収められていて、まとまりがよく読みやすかったです(一平太がテストを抜け出してゲーム中のあらしの応援に行ってその友情をラジオで聴いていた先生が「お前ってやつは」とかいいながらダメダメの答案用紙に100点って書くの最高に好き)。
あと、ゲーム筐体のスティックを手じゃなくて垂れたオッパイで操作するあらしのお母さんね。面白すぎます。
こういった具合に取り扱っているゲームだけではなく、それをプレイするあらしたちの熱血を面白がる楽しみ方ができる漫画だったので、昔のゲームを知らなくても楽しかったです。笑い転げました。
コロコロアニキに載った35年ぶりの新作短編も入っていて、そこでは冒頭にこれまでの出来事をザックリと紹介しているのですが、その中に宇宙の魔神や最強の恐竜と戦っているシーンが載っていて、めちゃくちゃ気になってしまいました。魔神や恐竜とゲームで戦ったの?すごい読みたい……ベストセレクション2も楽しみです!
追記
作者のすがやみつる先生にツイッターで引用リツイートしていただきました!恐縮です……!
ご紹介、ありがとうございますm(_ _)m。 https://t.co/241M9oCpDc
— すがやみつる@京都精華大マンガ学部 (@msugaya) 2019年12月6日
ありがとうございます。「2」が出るかどうかは「1」の売れ行き次第だと思われます。「1」が売れるよう、一緒に祈っていてください(^_^)。
— すがやみつる@京都精華大マンガ学部 (@msugaya) 2019年12月6日