「SLAM DUNK(スラムダンク)」90年代に少年ジャンプで連載されていた、バスケットボールを題材としたスポーツ漫画。
不良っぽさや、白熱した試合の中で描かれるちょっとしたギャグシーンも味があったりと、バスケを知らなくても楽しめ、僕も大好きな作品だ。
僕としての思い出は、ドリブルをカウントするオモチャのCMを幼少期の頃に見てなんかお兄さんっぽくてカッコいいと思っていた記憶があったり、
小学生時代の夏休みに見ていたアニメ再放送(毎年陵南戦だった気がする)、
中学生バスケ部時代は原作漫画も読みアニメもケーブルテレビで見て(試合前には決まって漫画を読んでいた。負けた)、
大人になってからも配信サービスでまたアニメを見て少年時代を思い出したりといった具合。
最近ではNBAやBリーグに興味を持ち始め、Youtubeで試合のハイライトを見てみるなどしていた矢先にスラムダンクの映画が公開された。
この先ネタバレあり。事前に情報入れないで観た方が絶対に良いです。
まだ映画をご覧になっていない方はこんなブログはスワイプで消去して映画館へGOしてください。
この映画スラムダンクについて僕が事前に知っていた情報は、CGアニメであること、声優を一新したこと、宮城リョータがメインの話っぽいことくらいで、公式が発表していたこと以外は目に入れることないようにしていた。
くそみたいなネタバレ動画がオススメ欄に出てこないようにYoutubeの再生履歴からスラムダンク関係は全て消した。
めちゃくちゃ楽しみにこの日を待っていた。ちなみに前売り券は桜木と流川。
2階の映画館で前売り券買って、1階のゲーセンでフリースローやって帰ってきた。 pic.twitter.com/rnGf3bIUB2
— あまき (@century_egg_2) 2022年9月22日
映画館の席に座り、その瞬間(とき)を待つ。
導入が終わり、オープニング曲が流れ、湘北メンバー5人が1人ずつ描かれる。
「これから映画館でスラムダンクが観れるんだ……」僕は涙ぐんでいた。
そして敵チームが登場。山王工業。
物語はインターハイ2回戦の湘北VS山王の試合(主に後半)を軸に、各キャラクターを深堀していく内容。
各キャラクター……というか、ほぼ宮城の話。
宮城の家族にまつわるオリジナルエピソードは、スラダン作者井上雄彦氏の別作品『リアル』で描かれるような、ちょっと重めのものであった。
選手たちの家族があまり絡んでこないところが『スラムダンク』で僕の好きなところ(ミッチーが母親に電話するくらいがちょうど良かった)でもあったのだが、井上雄彦氏も年を重ねた今だからこそできる視点でもあると思うので、新しいスラムダンクの形が見れて僕は良かったと思う。
宮城がメインであるということに関しては、劇場パンフレットにある井上雄彦氏のインタビューで「流川は桜木のライバルだし、3年生は三井の話があり赤木はキャプテンとして様々な話に絡んでくる、連載時にあまり描くことのなかった宮城の話にしたかった」的なことがあり納得。
今回の映画で、試合中に宮城が厳しいマークに苦戦している時にベンチのヤスとアイコンタクトするシーンは、井上雄彦氏が頭の中に思い描いている2年生間の友情のようなものが垣間見えた気がしてグッときた(カクは出れるはずの試合にでれなかったが 笑)。
公開前、CGの感じはどうかと思ったが、始まってみれば違和感はなく(流川の肩がガンダムみたいで面白かったけど)、むしろ漫画のカラー原稿のような塗りの感じに驚いた。
バスケの動きもリアル志向。それゆえに流れを止めないようにギャグシーンが控えめだったことには残念に思うファンもいるかもしれないが、限られた時間の中で重視したいことがギャグではなかったのだから仕方がないと思う。
試合は後半に重きを置いていたためカットされたシーンはたくさんあったが、説明なく強い山王を体感させるためにも後半が重要だったのかなと(もう少し山王の強さを深堀しても良かった気はするが)。
沢北と宮城が同じ舞台で肩を並べるラストにも驚いた。ただ、それだったら原作でもあった沢北のエピソードに触れて対比をしっかり描いてほしかったな。
なにはともあれ、試合の終盤の緊張感に尻の力が入ってしまったくらい熱中したし、井上雄彦氏の新しい挑戦としての山王戦を見ることができて本当に良かった。
映画のメイキング本『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』には、今回宮城のオリジナルストーリーの元となった読切『ピアス』も収録されているとのことなので、即予約。メイキング本を読んだら、もう一回くらいは映画館へ行こうと思う。