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『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を読んで思い出した初海外旅行でボッチにさせられた話

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 (文春文庫)

 

芸人・オードリー若林さんの著書『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を読んだ。

若林さんが1人でキューバ旅行へ行った際の紀行文で、僕が読んだ文庫版には書き下ろしでモンゴルやアイスランドへ行った際のことも加わっていた。

若林さんが何を思ってキューバへ行ったのか、モンゴルで顕になった意外な才能、ツアー客はロンドンの人たちばかりだと聞いていたらそれはロンドンに住んでいる日本人たちのことで人見知りが発動したアイスランドなど、盛り沢山の内容で面白かった。

 

『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を読んで、僕自身の海外旅行の思い出が蘇った。

僕が海外に行ったのは1度だけ。20歳くらいの頃、当時働いていたところの社長が連れて行ってくれた。場所はシンガポール。

僕は勉強が苦手なので英語はできないし、生まれて初めての海外だったので不安だったが、社長と一緒だし安心して飛行機に乗った。

長いフライトを終えて夜、シンガポールに到着すると社長が言った。

「明日から別行動な」

マジかこいつ。崖から落とされた気分だった。

そもそも社長と僕はシンガポールでの目的が違っていた。僕は観光、社長は口座を作りに来ていた。それは知っていたのだが、まさか別行動になるとは……。

こうして僕の初めての海外旅行は、独りで観光することになった。

 

バスは支払い方もどこまで行けるのかもわからなくて不安だったので、だいたいタクシーで観光した。

英語が喋られなくても、持ってきていた旅行ガイド本を見せるとちゃんと目当ての場所に連れて行ってくれた。

フロントガラスにトランスフォーマーのステッカーがいっぱい貼ってあったタクシーの運転は荒く、運転中でもスマホを確認してたからヒヤヒヤしたけど。

マーライオンを見たり、チャイナタウンへ行ったり、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』で出てきたケーブルカーに乗ったりもした。

シンガポールの観光名所には日本人が多かった。知らない土地、わからない言葉に不安を覚えていたはずなのに、日本人が多い場所の方が孤独を感じた。周りは団体やカップルばかりだったから。

なのでナイトサファリへ行った際は、日本語ガイドのバスには乗らず、英語のバスに乗った。

 

最終日、各々の目的を終えた社長と僕はカジノで待ち合わせて、ギャンブルで外貨両替していたお金をほとんど使い切った。

まあ独りでもなんとかなったなと思いながら荷物を預けて飛行機に乗った。

無事日本に帰ってくると、荷物が届いていなかった。手違いでどこか別の国へ輸送されてしまっていた。

僕は社長の車の鍵を預けた荷物に入れてしまっていた。社長が怒り出し、事情を説明に来た係員の方に「今すぐ持ってこい」とか無理なことを言って困らせていた。

結局その日はバスで帰り、翌日空港へ荷物を取りに行って中身を確認したら、僕の荷物は何も問題がなかったのだが、社長のお土産はほとんどプラスチックの箱がバキバキに割れていた。

こうして初めての海外旅行で僕は、英語ができなくてもガイド本があれば観光程度ならなんとかなるから勉強しなくていいやと言うことと、無理なことで騒ぎ立て周りを困らせると天罰あたるんだなと言うことを学んだ。