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【映画】“奇跡”の悪用「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」

様々な個性(特殊能力)を持つヒーロー志望の学生たちが奮闘する少年ジャンプ連載の漫画「僕のヒーローアカデミア」。

劇場版2作目が公開された2019年12月当時のアニメはヒーローインターン編で、学生がプロヒーローに混じってある女の子を救うために死穢八斎會の極道連中と戦っています。

爆豪や轟といった強キャラが物語の主軸を一旦外れている中、雄英高校の先輩方や脇役だった硬化する個性を持つ切島が大活躍しめちゃくちゃカッコよかったりでアツいです。

そんな中公開された劇場版第2弾は、離島で郊外ヒーロー活動を行なっている最中に現れたヴィランと戦う話で、アニメ本編で出番の少ない爆豪・轟を始め1年A組20名全員が大活躍します!

 

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング(※ネタバレあり)

すみません、イラストは気が向いたら描きます……

主な登場人物

緑谷出久(デク)

無個性だったところ、No.1ヒーロー・オールマイトから個性を譲渡する力で「ワン・フォー・オール」を授かりパワー系の力を得ます。

ただ、授かった力があまりにも大きく100%の力を発揮すると体が受け切れず、殴るたびに腕の骨が何度も骨折していて、これ以上いくと直せなくなると保健の先生に言われ、シュートスタイルに転向。蹴り技とパワーを抑える練習を重ねます。

 

爆豪 勝己

デクの幼馴染で対抗心を燃やしています。クラスメイトの中で、「ワン・フォー・オール」の秘密を唯一知っている人物です。

個性は掌の汗腺からでるニトロ汗。それを使って爆破したり爆風で移動することができます。

 

ナイン

以前オールマイトが倒した、人の個性を奪うオール・フォー・ワンのDNAだかなんだかに適合して、

元々持って生まれた個性と別に8つの個性を奪えるようになった敵です。

持病を治す?耐える?ために細胞活性化の個性を奪おうと離島にいる男の子を狙います。

 

 

 

感想:いくら原作で考えていた最終回のアイディアだからって、こんなところで使わないでよ

宿敵オール・フォー・ワンとの戦いのあと引退したNo.1ヒーロー・オールマイト。そのあとを継ぐ頼れる次世代ヒーローを育成するプロジェクトの一貫で、

雄英高校1年A組の面々は離島で郊外ヒーロー活動することになりました。平和な島だから生徒だけでも大丈夫っしょって思ってる先生たちの考えは軽率ですが、

生徒だけで住み込みの郊外活動というのは学園モノっぽさや劇場版ならではの特別感がありワクワクする舞台です。

劇場版第1作でもアニメシリーズでも、生徒がピンチになればプロヒーローが助けに来てくれましたが、何か起きた時に誰も助けに来てくれない、A組の生徒20名だけで対処しなくてはいけない状況になりました。

離島では、おじいちゃんおばあちゃんなど島民のお手伝いを始めパトロールといった治安維持を皆で行い、島民はありがたがっているのですが

その中で小さな女の子はヒーロー志望の学生たちの存在を良く思っていなく、イタズラ電話をかけてはデクたちをおちょくります。それには理由があって、ヒーローに憧れる弟を心配しての行動だったのです。

その幼い弟が持っている個性は細胞活性化、己の病を克服するために細胞活性化の個性がどうしても必要なナインが襲ってきて、ヒーロー志望の学生たちはチームプレイで島民の救助・避難を最優先にヴィランと戦います。

 

オール・フォー・ワンのような力を持つヴィランと対峙した時、プロヒーローの手助けなしでデクたち1年A組はどうやって戦うのかが見もので、

経験値も浅くヒーローとして未熟な学生たちが作戦を練りヴィラン3名を分断し、なおかつ自分たちの得意なフィールドだったり罠を仕掛けて立ち向かう。

お茶子ちゃんが浮かした岩を瀬呂がセロハンテープで貼り付け投げたりそれぞれの個性を活かし組み合わせるバトルシーンは劇場版1作目を超えるスケールで、デクと爆豪の共闘なんてめったに見れるもんじゃあないし見どころ十分で、1年A組全員が一丸となって島民を守るために全力で戦う姿に生唾ゴクリだったのですが、

強すぎるナイン相手にデクが自分の許容量を超えた力でパンチを放ったところと、その後の展開で一気にシラケてしまいました。

 

 

 

本編であれだけ釘を刺され、次やったらデクの腕は使えなくなるんだ、そんな中これからどうやって戦っていくのだろうかとワクワクしてテレビシリーズ本編を見ていただけに。

ここでデクたちが絶対に倒さなければならないヴィランだったということはわかるけど、本編と直接は繋がらないであろう劇場版だし、どうせ何事もなかったかのようにデクの腕は治るんだろうなと思っちゃうし、

その後の爆豪に「ワン・フォー・オール」の力を譲渡して、2人のワン・フォー・オールで(デクは残り火で戦う)ナインを倒すという展開も勢い任せ。

デクが力を譲渡してしまうということは、No.1ヒーローになるという夢を中途半端に終わらせるということですからどうにかして絶対に避けないといけないですし、どういう理屈で終わらせるんだろうと不安を抱いていると、

結局爆豪にはワン・フォー・オールは譲渡されずデクの体に力が戻り、爆豪は一時的に譲渡されたことを覚えていない「奇跡が起きた」という都合の良い言葉で片付けてしまいました。

 

 この展開は作者が本編の最終戦のために考えていたらしいのですが、それなら終盤の劇場版なりなんなりで「もう一つのラスト」的な感じでやってほしかったです。こんな中途半端なところで使う展開じゃあないでしょ(終盤で使ったとしてもヒーローとして半人前の状態で誰かに譲渡するというのは好みではありませんが)。

劇場版1作目が良くできていただけに(とはいえオールマイトのサイドキックや、戦ってはいけないのに結局戦う学生たちなど思うところはありますが)今回の2作目はしょうもない陳腐な展開で非常に残念です。ただ、1年A組が一丸となって戦うアクションシーンは素晴らしかったので、それを見れただけでも良しとします。

 

 

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劇場版1作目は大好きです。