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漫画「モジャ公」藤子・F・不二雄のダークなSF傑作

 

 

怒られてばかりの出来損ない3人(1匹、1体、1人?)が自由を求めて宇宙へ旅に出る!

行き着く星には、地球より発達した文明でコンピュータに頼りすぎて脳みそは退化したため足し算もできない人々がいたり、

以上な再生力により1万年の間誰一人死人が出ていない星、伝染病でスッカラカンになった星など、なかなかブラックな内容!

絵柄が可愛らしいだけ余計に後味が悪い、藤子・F・不二雄のダークな世界「モジャ公」を紹介します。

 

モジャ公(※ネタバレあり)

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作:藤子・F・不二雄

連載:週刊ぼくらマガジン、たのしい幼稚園

連載開始:1969年11月18日

 

あらすじと感想

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平凡な生活に刺激を求めている地球人の少年・空夫は、刺激欲しさにわざと喧嘩をふっかけてぶん殴られるイカレ具合(自分で望んだことなので殴られた後もケロッとしているのがヤバい)。

一方その頃、地球を観察に来ていた宇宙人のモジャラとロボットのドンモは、

空夫のイカレ具合や、怒られてばかりのはみ出し者という自分と同じ境遇に惹かれ、一緒に様々な星を旅をすることに。

 

「モジャ公」という作品は、空に広がる宇宙への希望を描いている一方で人間の醜い面や、IT文化が進むことへの懸念が垣間見れます。

宇宙人から見る地球は、文化レベルが低く未開の星。空夫が地球人だとわかると野蛮な原始人だと恐れ逃げ惑うのですが、

他の星は地球より文明が発達していて何もかもコンピュータで制御しているため、いざコンピュータが壊れた時に1桁の足し算もできないくらい脳みそが退化してしまっています。

 

 

 

でも他の星は、地球のように領土が国で別れたり、同じ星人で殺しあったりはしていません。

以上な再生力により1万年の間誰一人として死んでいないジュゲム三番星フェニックスに住む星人は、長生きしすぎているため日々の出来事に何も関心を示さず目が虚ろなのですが、

地球で戦争が起きていると知ると「まだそんな野蛮な行いをしている星があったのか!」と珍しいショーを見にいくかの如く大慌てで準備をします。

 

そして低年齢層がターゲットの少年漫画にしては悪知恵の働く主人公たちは、

死ねないフェニックスの人々に「俺はもう自殺するんだ〜」と死をチラつかせてお金儲けをするという腹黒さ……

もちろん失敗に終わり、主人公たちも痛い目を見るのですが。

 

そんな主人公たちですがとんでもない隕石が地球に向かっていることが発覚した時には、一時着陸した空夫がスッポンポンで町中走り回って人々を救おうとしたり、

賞金目当てで宇宙船レース大会に出場したりと少年漫画らしい展開もあります。

ダークな面が強調されたあらすじになってしまいましたが、藤子・F・不二雄先生が考えた宇宙ルールだったり、

たどり着く星によって文明や生物の形に違いがあったり毎回ワクワクするんですよ。

 

暗黒SF「モジャ公」ただの子供向け漫画だと思っていた方は、ぜひ一度読んでみてください!

 

あわせてオススメ 

「モジャ公」の、少年たちが宇宙船で旅をする部分に惹かれたらこちらもオススメ。

孤児ウルトラマンのマーが、セブやターたちと行方不明の両親を探しに旅に出る作品です。ED曲があたたかくとてもいい曲なんですよ。


ダークな藤子・F・不二雄作品を読みたかったらコチラをどうぞ。

自分勝手な正義感・小池さんが突如手にしたスーパーパワーで、自分の思い通りに行かないことをシメていく短編です。

お題「#おうち時間