人知れず動きだすオモチャの冒険活劇、「トイ・ストーリー」。持ち主のアンディが大学生になり、オモチャを大切にしてくれそうな知り合いの女の子ボニーに、アンディが遊ばなくなったけど思い出があって大切なオモチャを譲るラストに涙が止まらなかった「トイ・ストーリー3」にまさかの続編!
トイ・ストーリー4(※ネタバレ有り)
主な登場人物
ウッディ
アンディの1番のお気に入りのオモチャだったカウボーイのウッディ。小さい頃のアンディにとって彼は特別な存在であったのですが、成長し家を出るときにボニーに譲ることに。持ち主のそばにいてあげることがオモチャの役目、今の持ち主ボニーの成長を他のオモチャたちと見守ります。
フォーキー
ボニーが幼稚園の体験時に先割れスプーンで作ったオモチャです。フォーキーは自分はゴミだからとゴミ箱に帰りたがりますが、嫌な幼稚園の時間を一緒に乗り切った彼はボニーにとって大切な存在なのでウッディが必死にゴミ箱行きを食い止める姿が、オモチャはゴミではないと自分に言い聞かせてるようです。
ボー・ピープ
かつてはアンディの妹の部屋にあったスタンドランプに付いている磁器の人形です。知り合いに譲った後、アンティークショップへ売られ、持ち主のいない今は外の世界で自由に暮らしています。
ギャビー・ギャビー
製造不良で誰の手に渡ることなく長年アンティークショップの棚に飾られている女の子の人形です。ウッディの拡声器を奪うため腹話術人形を従えて捕まえようとします。
バズ・ライトイヤー
ウッディの相棒、スペースレンジャーのバズ・ライトイヤーです。今回はウッディの決断の話で、お笑い要員の新キャラもいっぱいでてくるため、おなじみのキャラクターは出番控えめです。
感想:またウッディの活躍が見れて良かったです。お疲れ様。
アンディがまだ子供の頃の話(今回映像が格段に綺麗になっていて、アンディがもはや別人になっていました)から本編はスタート、「トイ・ストーリー3」時には既に居なくなっていた羊飼いの人形ボー・ピープが羊たちと一緒に、他の家に譲られてしまうシーンを描きます。
時は流れ大学生になりオモチャで遊ばなくなったアンディが、親友のウッディたちをボニーに譲った「3」のクライマックスシーンをもう一度見せられ(アンディが一体ずつボニーに紹介してるのが泣けるんですよねえ)、ウッディやバズがボニーのオモチャになってからの話になっていきます。
朝ごはんを食べ終わったボニーはクローゼットからオモチャを取り出し遊びますが、そこにウッディの姿はありません。ボニーはウッディの保安官バッジをジェシーに付け替えて遊んでいて、楽しそうなボニーをクローゼットの隙間から眺めるウッディ。
「1」でもアンディの新しいオモチャのバズに遊びの主役を奪われることがあり、その時は嫉妬でめちゃくちゃ嫌な奴になってしまいましたが、主役の座ではなく持ち主の子どもを楽しませること、そばで成長を見届けることが大切だということをこれまでの冒険を通して知ることができたウッディはもうそんなことで嫉妬なんかしません。もうボニーはウッディと遊ぶことはめっきり減ってしまいましたが、ボニーの成長を見届けることが今の彼の役目です。
幼稚園の体験に行くのが嫌で泣くボニーを見て、周りの反対に耳を向けずリュックに入り込むウッディ。ボニーと一緒に幼稚園へ行き、子どもたちにバレないようにひとりぼっちのボニーを助けます。ゴミ箱に捨てられていた先割れスプーンやモールで人形を作ったボニーはもうひとりぼっちではなく明るさを取り戻し、嫌だった幼稚園の体験を乗り切りますが、今度からは入園してずっと通うことになります(ていうか3でボニー幼稚園に通ってなかった?)。
今のボニーには、幼稚園の体験という嫌なことを一緒に乗り越えた先割れスプーンのフォーキーの存在が彼女にとって今一番大切なんだとウッディは考え、「自分はゴミだから」とゴミ箱に帰ろうとするフォーキーを必死に食い止めているうちにバズたちと逸れてしまいます。
君はもうゴミなんかじゃあないんだ、ボニーにとって大切なオモチャなんだとフォーキーを説得したウッディは、ボニーたちが車で向かった移動遊園地を目指します。その途中、アンティークショップでボー・ピープのスタンドライトを発見、中に入ってみるがボーはおらず、ウッディの状態の良い内蔵拡声器を奪おうとするギャビーに追われフォーキーを人質に取られてしまいます。
その後色々あってウッディは、外の世界でたくましく生きるボー・ピープと再会し、他のオモチャたちと力を合わせてフォーキーを助けに行きます。そんでボニーの元へ帰るっていう話(ボニーのオモチャが、フォーキー帰ってくるまでどうやって時間稼ぎしよう?って考えると、毎回ボニーの父親を牢屋に入れるって案が出てきて笑えます)なので、場所とオモチャが変わっただけで今までとそんなに変わらないじゃんって思いかけたのですが全然違いましたね。
元から拡声器が壊れていてずっと売り場の棚から子どもたちを見ていたギャビー。拡声器が直ったら、綺麗な声が出せるようになったら、きっと私を選んでくれる子がでてくる。おままごとが一緒にできるようになるんだと希望を胸に過ごしてきました。
アンディ、ボニーという優しい子ども2人と幸せな時間を過ごしてきたウッディは、一度でいいから私もそのチャンスが欲しいというギャビーに拡声器を譲ります。
フォーキーを送り届けたウッディは自分の役割を考えます。ボニーにはフォーキーがいる、バズたちがいる。バズが「ボニーは大丈夫だ」と言ってくれている。ウッディはボー・ピープたちと共に移動遊園地に残り、射的などでオモチャを必要としている子どもたちの手助けをすることを選びます。
「トイ・ストーリー4」を見終わって、わざわざ「3」のアンディがボニーにオモチャを譲る僕が初見でめちゃくちゃ泣いちゃったシーンを見せてから、ボニーに見向きもされなくなるウッディの物語を描くなんて残酷だなあ、アンディがこれ見たらキレるだろと思ったのですが、
ボニーは女の子ですし、ウッディとジェシーといった似たようなオモチャがあったら女の子のジェシーを主人公にして遊ぶのも当たり前ですよね(そういえば、ウッディが保安官バッヂをジェシーに渡すシーンは、どうせならそれまでにジェシーの活躍をもっと入れた方がよかった気がするなあ)。
自分が子どもの頃はオモチャにどういう扱いをしていたのかを思い出すと、外出時にパーツを無くしたり、ちょっと壊れたら要らなくなったり、新しいオモチャに飛びついたりしてたんですよね。
僕はディズニーランドのポップコーンバケットにポケモンの指人形やらデジモンのチョコエッグやらをいっぱい入れて小学校高学年になってもオモチャ遊びをしていたのですが、気づけばそのポップコーンバケットもどこにいったかわからない。スーパー戦隊の合体ロボもいっぱい持ってたのにな。おそらく中学生の時の引っ越しでオモチャはほとんど捨ててしまいました。
大人になった今でも可動フィギュアを買ったりしてますが、あんまり箱から出さないし、飽きたらフリマアプリで売ったり、カプセルトイなんてガチャガチャを回すだけで満足だったりしちゃってます。
あと塗装が雑だったりするといやなきもちになるけど、そういうオモチャも大切にしなきゃいけないよなって、思いました(だからといってメーカー側に手を抜いてもらいたくはありませんが…)。
こんな僕が、ボニーを非難なんてできません。綺麗に収まった「3」の続編をこういった形で作る必要があったのかと思う気持ちもありますが、オモチャと子どもの関係を描いてきた「トイ・ストーリー」ですから、綺麗事だけではなくて、役目を終えるオモチャの話もあって良いのではないかと思います(これまでも作品と作品の隙間で必要とされなくなりアンディの部屋からいなくなったオモチャがいて、今回はそれが主人公のウッディだったってことですし)。おなじみの冒険活劇はワクワクして面白かったしね。トイ・ストーリー4、良かったと思います。
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ウッディとバズのプラモデルが発売されました。映画を観た後、買わずにはいられなかった……!とてもよくできてます。組み立てただけで本物さながらです。youtubeにて組立動画をアップしたのでこちらも良かったら見てください。
ピクサー映画の8つの制作工程を学び実際に体験できる展覧会のブログもよかったら見てください。