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【映画】ヒーローに影響された中年男性が悪党に暴力を振るう!「スーパー!」

アメコミ&クロスオーバー物映画の大ヒットシリーズ、マーベル・シネマティック・ユニバース シリーズ10作目、70、80年代洋楽とSFの融合が最高の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガン監督がそれより前に撮った作品、悪党を懲らしめるヒーロー活動ってのはファンタジーな部分をできるだけ削ぎ落とすと、それはただの暴力だったりなんだか思考が宗教じみていることを描くブラックコメディ「スーパー!」を今回は紹介します。

 

スーパー!(※ネタバレ有り)

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主な登場人物

クリムゾンボルト/フランク

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気弱な中年男性。浮気相手ジョックの元へ行ってしまった妻サラに捨てられた現実が理解できず、妻は誘拐されたと思い込みます。そんな時にテレビで見たヒーロー番組に背中を押され、自作コスチュームで身を隠しヒーローとして自警活動を開始。悪党をレンチで殴り街の平和を守りながら、妻を救い出す機会を伺います。

ボルティー/リビー

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コミックショップの店員です。ヒーロー活動の参考にするためにコミックを買いに来たフランクに、超能力を持たないヒーローなどを教えてあげます。ある時ニュースでクリムゾンボルトの暴行事件を知って正体がフランクだと見破り、自分をサイドキック(相棒)にしてくれと頼みます。

ジョック

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ドラッグディーラーです。フランクの妻サラに惚れ込み自分のオンナにします(サラもそれを望んでいて、連れ去られた悲劇のお姫様ってわけではないです)。妻を返せと言ってくる面倒なフランクに対しても最初は話し合いで諦めさせようと試みていて極悪非道ってわけでもないのですが「麻薬は悪」なのでクリムゾンボルトにぶっ殺されます。

 

 

感想:ヒーローの絶対に真似をしてはいけない「暴力」で解決しようとする部分を皮肉った大人向けヒーロー映画

人生の完璧だった瞬間が「サラと結婚したこと」「ひったくりが逃げた方向を警察官に教えたこと」の2つである主人公フランクは、これからも「正しい道」を歩めるようにこの2つを絵にして壁に貼り優越感に浸っています。

気弱なフランクは、妻サラが悪い友達とドラッグで遊んでいても見て見ぬ振り。そうしているうちにサラはドラッグディーラーの元締めジョックの元へ逃げてしまいます。

衣服も全て無くなっていて、普通に考えればサラに捨てられたのだとわかりますがフランクは誘拐されたと警察に届を出しに行きますが当然相手にしてもらえません。

そんな時にテレビで偶然みたヒーロー番組ホーリーアベンジャーでの「悪はあらゆる所に潜んでいる 戦う心を忘れるな」のセリフにハッとさせられるフランク(明るい雰囲気の子供番組を真剣な表情で見入ってるのでウケます)。

自分がコミックの主人公のような「神に選ばれし者」なんだと思い込むようになったフランクは赤い布を買ってコスチュームを作り、ヒーロー活動を開始!街でドラッグの売買を目撃し飛びかかるも、マスクをずらされ視界が悪くなり退散。

コミックショップで店員に超能力を持たない武器で戦うヒーローを教えてもらい、自宅で自分の武器になるものを考え、レンチに決めます。ヒーローになると誓いコスチュームを身にまとい、武器を手に入れるというヒーロー誕生の王道コースを進んでいるはずなのに、現実味を加えるとかなり痛々しい。

「アイアンマン」のパワードスーツを作っているシーンなんかはロボを自分で作るという男のロマンにシビれたものですが、クリムゾンボルトはレンチで思いっきり瓜を叩いて真っ二つにして「コレだ!」ですからね。

武器(レンチ)を手に入れたクリムゾンボルトは再度街へ繰り出しドラックディーラーやひったくり犯、売春ジジイをボコボコにします(クリムゾンボルトのイキった顔…)。こうして暴力事件を起こしていると当然ニュースになり、指名手配犯となってしまいます。え?俺がしてたことって悪いことだったの?と思い始めた時に、サイドキックができてしまいます。サイドキックのボルティは狂気じみていて(クリムゾンボルトも狂気じみていますが自分の行為は真正面から見れないもの)、悪かどうか定かではない若者を半殺しにしてもう後戻りができなくなってしまいます。

ある夜、発情したボルティに襲われた(フランクには妻がいるけどクリムゾンボルトにはいないからいいでしょさあマスクを被って!って、マスクをかぶると別人になった気がして勇気が湧いてくる的なヒーローあるあるをそんな風に言うんじゃない)クリムゾンボルトはゲロを吐き、そのゲロから妻サラの顔が浮かび上がります(汚ねえ)。捕らわれ今も悲しい思いをしている(と思い込んでいる)妻のことを思い出し、すぐに救出に行くことを決意します。

殺人鬼と化したクリムゾンボルトはジョック邸を襲い、妻サラと再会。クリムゾンボルトはジョックに「お前だって俺と同じ犯罪者だ!」と言われます。ドラッグ売買やひったくりといった犯罪者をぶん殴って懲らしめていたクリムゾンボルトですがその活動の中で、映画館入場列の割り込み客をレンチでぶん殴ったことがありました。映画を見てる側としてはスッキリするシーンなのですがまあちょっとやりすぎだろって感じではあって。でも小さな悪も大きな悪も許さないクリムゾンボルトは「割り込みは悪!」「ドラッグは悪!」と自分を正当化させてジョックをぶっ殺してサラを救います。

こうして平穏な日常を取り戻したと思われたのですが、やはりサラはフランクの元から去ってしまいます。今度はちゃんと置き手紙を残して。自分のアイデンティティであったサラを失ったフランクでしたが、ヒーロー活動という自分の歩むべき「正しい道」を見つけることができました。それも暴力行為ではなくて、貧困などで苦しむ子どもの支援という形で。2つしかなかった壁に貼られた人生の完璧な瞬間は、たくさんの子どもたちの絵で埋まりました(完)。いやフランク捕まれよ。

 

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「コミックのスーパーヒーローが実際にいたら」をスーパー!とは別の角度から描いた作品。ヒーローたちの戦いに巻き込まれる一般人目線のお話です。