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映画「ハクソー・リッジ」戦場で敵味方問わず負傷者の命を救った綺麗事すぎる実話

ユリイカ スパイク・リー特集を読んでいたら、アトランタ南部の歴史博物館では原爆投下についての展示で「この原爆のおかげで第二次世界大戦は終結した」という主旨の説明がされていると書いてありました。

被害を受けた日本を離れた国では、原爆を開発したということは名誉なことなんだよと子供達に教育している国もあるんですか。

 

わかりあえない価値観の違い、これはいつまでたっても世界から争いがなくならないわけだ。

今回紹介する「ハクソー・リッジ」は、見ると戦争怖い!絶対に無理!と思わせてくれる映画です。

 

ハクソー・リッジ(※ネタバレあり)

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監督:メル・ギブソン

公開:2017年6月24日

 

主な登場人物

デズモンド・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)

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第二次世界大戦で活躍した衛生兵、キリストの再臨と安息日厳守(土曜日は絶対に休む)を主張するセブンスデー・アドベンチスト教会信徒です。

第一次世界大戦によりPTSD(心的外傷後ストレス障害)となり酒に溺れ暴力を振るう荒れた父親の影響か、

子どもの頃は弟と殴り合いのケンカをする日々を過ごしていました。

ある時ケンカがエスカレートしてしまいレンガで弟の頭を強打、弟は意識を失ってしまいます。

運良く命は取り留めましたが、キリストの教えを破っていたかもしれない。深く反省したデズモンド少年は汝、殺すことなかれ」を胸に刻みます。

 

 

 

あらすじと感想:争いを止める方向に進まないのがリアル

戦場の舞台は1945年の沖縄「前田高地の戦い」です。

アメリカ軍は日本軍司令本部・首里城を落とすべく、ノコギリで真っ二つにしたかのような崖「ハクソー・リッジ」を登り、日本兵と争うのですが、

日本兵がめちゃくちゃ怖いんですよ。戦争中はBGMがほぼ無く聞こえてくるのは銃声・爆撃音・悲鳴・身体が飛び散る音。

転がる死体から始まるハクソー・リッジ、ただのグロテスクな作品ではありません。目をそむけないで最後まで見てください。

 

主人公デズモンド・ドスは真珠湾での戦いに衝撃を受け、自分も一緒に戦いたいと衛生兵として志願します。

厳しい軍曹の元、果敢に訓練を行い成績も良いのですが、狙撃訓練になると参加を拒否。

「僕は、銃を持つことができません」と言います。

「人を殺すのが戦争だ」お前の言う殺せないはただの宗教上の理由だろと考える軍曹や大尉は、デズモンドを説得にかかりますが、信念を曲げません。

衛生兵として、人を救いたいんです。

でも周りからしたら、銃を持たない臆病者に自分の背中を預けられないよと。

軍曹から連帯で圧力をかけられる歩兵師団の仲間たちは、厄介払いしようとデズモンドをイジメ、いい加減みてられなくなった軍曹は「お前はもうよくやっただろ、皆の命、お前の命のためにも除隊してくれないか?」というのですが、デズモンドは断固拒否の姿勢。

 

戦場へ出向くとそこには張り詰めた空気、転がる死体。

土煙?で視界が悪い中飛んでくる銃弾。戦争が再開しました。

初めての殺し合いにビビる同期がいる中、デズモンドは衛生兵として戦場を駆け回り負傷者を助けます。

デズモンドは以前、大尉に呼び出された時に神と話すのかと聞かれ「そんなインチキはしません。僕は正常です。」と答えていたのですが、

助けられなかった命を目の当たりにし、自分の信念が揺らいでしまいます。「僕は何をしろと?」と神に問いかけると、戦場から助けを呼ぶ声が。

仲間が一時撤退しても一人で戦場へ残り、負傷者(敵である日本兵まで)を運ぶデズモンド。「もう一人、もう一人」完全に正常ではない精神状態ですが、そうなってまで正しいことを行う勇気。

その勇気を持った行動に仲間たちは誤解を解き、そして助けられたのでした。

 

 

 

デズモンドの父親は昔、ベルトを罰を与えるために使ったのですが、デズモンドは止血のため、人を助けるためにベルトを使います。

戦場でデズモンドが銃を手にする瞬間があるのですが、彼は人を殺す道具をどう使ったのか。

ほんとなんでも考え方次第なんだよなあと、頑固で怒りんぼな自分が恥ずかしくなりました。

 

ただ、デズモンドは命は救いたいけど争いを止めようとはしない、デズモンドの仲間も世の中にはいろんな考え方があるんだってわかったはずなのに、その思考を敵には向けない。

こりゃあ争いはなくならないわけだ。

簡単なことじゃあないだけに、一人でも多くの人がこの映画を見て「戦争怖い!」って思ってくれますように。

 

 

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