こんにちは、あまきです。
2020年8月6日、起床してリビングのエアコン付けてソファーでボケ〜っと天井を眺めていました。
そういえば今日は広島平和記念日。原爆の日です。
こうの史代先生の漫画『夕凪の街 桜の国』を棚から引っ張り出して読みました。
2016年『この世界の片隅に』がアニメ映画化し観に行き衝撃を受け、
『この世界〜』の原作漫画を買おうと思ってもどこも在庫を切らしていて買えず、
同じ漫画家さんのヒロシマが題材の漫画があるということで読んでみたのが『夕凪の街 桜の国』でした。
『この世界〜』は太平洋戦争の中で生活をしていた人々の日常を描いた作品で、
反戦作品ってわけでもなく、戦争に負けたことを伝える玉音放送を聴いた主人公すずが
そんなん覚悟の上じゃないんかね?
最後のひとりまで戦うんじゃなかったんかね?
いまここへまだ五人も居るのに!
まだ左手も両足も残っとるのに!!
空襲に怯える生活や大切なものを失ってきたのは一体なんだったんだとブチギレるシーンに衝撃を受けました。
『夕凪の街 桜の国』は『夕凪の街』と『桜の国(一)(二)』の3つの話でできていて、
『夕凪の街』は原爆が落ちてから10年がたった広島に生きる人々を描いています。
こうの史代先生の絵柄もあって、最初はなごやかな漫画に見えるのですが、皆実は10年経ってもあの日の事を忘れることができません。
1945年8月6日、助けてください、水をくださいという原爆で焼かれた人々を何人も見殺しにした。
翌日には死体を平気でまたいで歩けるようになった。死体から下駄を盗んで履く人間になった。
そんな自分が幸せになっていいのかと皆実は苦悩の日々を送っています。
そして幸せを望むと……
十年経ったけど
原爆を落とした人はわたしを見て
「やった!またひとり殺せた」
とちゃんと思うてくれとる?
『桜の国』の舞台は東京、皆実の弟・旭が築いた家族の話です。
旭は戦時中は疎開をしていて大学入学を機に広島へ帰ってきて、被爆者の京花と結ばれます。
子どもは2人授かり、一人目は野球大好きでわんぱくな女の子・七波。
二人目は、喘息持ちの男の子・凪生。
凪生には付き合っている女性がいるのですが、喘息が被曝のためなのではないかと心配したお相手の両親から拒絶されてしまいます。
保身からくる風評被害。福島原発事故の時も、新型コロナウイルスの今も、必ず出てくる人間の過ちですね。
僕も人のことは言えません。今でもなんとなく福島の食物は避けてしまっています。
平和ってなんなんでしょう。
この感情はなんなんでしょう。
『夕凪の街 桜の国』
100ページほどのこの一冊が、一人でも多くの方の考えるきっかけになれば。自戒を込めて。